有形固定資産の取得原価を、その耐用年数にわたり規則的かつ合理的方法によって配分する過程である。減価償却では次の3点が考慮される。まず企業活動に投下された有形固定資産が提供できる能力の減少分で、機械の場合には、通常の使用で生じる物理的損傷や磨耗である。また建物の老朽化や農地の浸食などの資産の劣化、そして新規もしくは改良された機械や技術の導入にともなう既存のものの陳腐化である。しかし、減価償却は有形固定資産の取得時の価格をもとにするもので、時価が変動しても償却分には反映されない。
取得以後の減価償却累計額は、当該資産の取得原価を控除する形式で貸借対照表上に表示される(→ 会計と簿記)。取得原価と減価償却累計額との差額を簿価という。毎期の減価償却費は損益計算書に計上される。
減価償却費を計算するにはさまざまの方法がある。もっともひろく使用されているのは定額法である。ここでは、毎期一定額の減価償却費が計上される。たとえば、取得原価1100万円、耐用年数10年、残存価格100万円の機械の毎期の減価償却額は、{(1100-100)÷10} =100万円となる。
有形固定資産が期間ごとに均等につかわれない場合には、当期の使用量を反映させる別の方法がもちいられる。たとえば、取得原価から残存価格を控除したものを、車両の場合には総走行距離数で割ったものに当期の走行距離数を掛けて、機械の場合には総機械運転時間で割ったものに当期の運転時間を掛けて、それぞれ毎期の減価償却額を計上する。
取得の初期の年度に使用頻度が高い資産には、資産の簿価に定率を掛ける定率法とよばれる加速償却法が採用されるのが一般的である。これによれば、簿価が高い初期には減価償却費を多く控除でき、あとになるほど簿価がへるので償却費は低くなる。課税所得を計算する際に許容される減価償却方法は、法令や税務当局により指定されている。
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